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高森明勅
2019.10.1 06:35皇統問題

旧宮家の復帰?

秋に設置が予定されている「安定的な皇位継承を確保するための」
政府有識者会議。

その「結論」は「政府として初めて旧宮家の復帰を
オーソライズすること」
(八木秀次氏)という。

但し対象となるのは、生まれ時から「国民」又は
その子供以下の世代。

だから「復帰」は正しくない。正確には、
皇籍の新たな「取得」。

前々からこの提案はあった。
しかし、「国民の理解が進んでいない」(八木氏)。
だけでなく、様々な難題が控えている。
だから私は、政府はその実現“可能性”を、
早めに本格的に検討した方が良い、

とこれまで訴えて来た。
にも拘らず、徒(いたずら)に先延ばしされて来たのは遺憾。

それがやっと検討の俎上に上るのなら歓迎だ。
是非とも丁寧かつ慎重に検討して戴きたい。
但し、この方策自体は(可能と仮定しても)、残念ながら
「安定的な皇位継承を確保する」結果に、そのまま繋がるものではない。
側室不在、非嫡出による継承の否認という、動かし難い条件下では、
宮家が一時的に多少増えても、その宮家の継承“自体”が不安定な
状態に置かれる。

なので、事態を根本的に解決することにはならない。
従って、「安定的な皇位継承」を“本気で”望むならば、
自ずと別の方途を探る他ない。
それを望まないなら、勿論、話は別だが。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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